





☆シリーズ絵本「セーラーとペッカ」☆
もと船乗りのセーラーと犬のペッカの日常が淡々と描かれます。そこはかとない可笑しさが忘れられない世界です。
① セーラーとペッカ、町へ行く
② いったいどうした? セーラーとペッカ
③ セーラーとペッカの日曜日
④ セーラーとペッカの運だめし
⑤ セーラーとペッカは似た者どうし
2007年、偕成社より刊行予定。邦題は変更になる場合があります。
2007年11月23日(金)から25日(土)まで、三重県津市にある三重県総合文化センターで、「読書フェスティバルinみえ」が開かれました。平成19年度文部科学省委託事業、主催は読書活動応援プロジェクト三重県実行委員会、共済は三重県と三重県教育委員会、後援はスウェーデン大使館という、とても大きなイベントでした。
私は24日に、子どもの本専門店メリーゴーランド店主の増田喜昭さんと、「ニルスからピッピ、そしてペッカまで」~スウェーデンの子どもの本を語る~というタイトルで1時間半の対談をしました。スウェーデンには何度もいらしたことがあり、『ニルス』も『ピッピ』もウルフ・スタルクも『セーラーとペッカ』も大好きとおっしゃる増田さんとの対談は楽しくて、あっというまに時間が過ぎていきました。増田さんも私も根っからのおしゃべり、じゃなかった、根っからの本好きということの証でしょうか。二人とも、まだまだスウェーデンの子どもの本については語りたりない、という感じでした。
同じ日に講演された詩人で作家の長田弘さんと、絵本作家のあべ弘士さんのお話も、それぞれ興味深い内容でした。お二人とも、ご自分の本を声に出して読んでくださったのですが、それがとても心地よく、あらためて子どもの本の基本は「声に出して読むことだ」と思いました。
会場の一画では、アストリッド・リンドグレーンの生誕百年を記念した「スウェーデンの子どもの本」展や、あべ弘士さん、荒井良二さん、長田弘さんが選んだ「わたしのおきにいり100冊」展も開かれていて、来場された方には見応えのある3日間だったと思います。
大人のスタッフの方たちはもちろん、ボランティアでお手伝いしてくださった中高生の若い人たちが元気いっぱいで、本当に和やかなイベントでした。皆さん、お疲れさまでした。
左の「お疲れさま」の写真は、右からあべさん、増田さん、長田さん、そして私です。 (2007年11月記)
4月から7月にかけて、シリーズ絵本「セーラーとペッカ」の日本語版が刊行されました。大好きな「セーラーとペッカ」シリーズ全5冊の翻訳に携わることができ、感無量です。翻訳に関しては、「我ながらここはうまく訳せたぜ、しめしめ」 と密かに思える箇所が毎回ひとつ、ふたつはあるものですが、今回も「しめしめ」的箇所は、5冊それぞれにあり、楽しみながら仕事をすることができました。全体としては、「生真面目さの中に漂う、そこはかとない可笑しさ」を、さりげなく、かもしだせているといいなと思います。
〈うれしかったこと・その1〉
5月、スウェーデン大使館主催の児童文学フェアに、作者のヨックムさんがきてくださったこと。奥様のカーリンさんともども、半年ぶりの再会となりました。
〈うれしかったこと・その2〉
出版された5冊の絵本が、いろんな方の目に留まったこと。
4月15日(日)の読売新聞朝刊では、映画監督の西川美和さんが書評を、「美術手帖」7月号(美術出版社)では、美術評論家の松井みどりさんが記事を書いてくださいました。
「イラストレーション」9月号(玄光社)にも、ヨックムさんについての記事が載っています。
たくさんの書店の皆さんにも応援していただき、感謝感激です。
それから、「MOE」9月号(白泉社)のインタビューは、僭越ながら、この私が通訳を務めさせていただきました。拙文「セーラーとペッカ」こぼれ話とあわせてお楽しみいただければ、訳者(&通訳者)として、これまたとってもうれしいです。 (2007年8月記)
現在、翻訳中のシリーズ絵本「セーラーとペッカ」の作者、ヨックム・ノードストリュームさんが10月初め、奥様のカーリンさんとともに来日されました。といっても場所は大阪、しかも数日のご滞在だといいます。それでも、ぜひともヨックムさんに日本語版のデザイン案を見ていただきたいと思い、担当編集者の広松さんといっしょに、デザイナーからあがってきたばかりの見本を持って、大阪まで飛んでいきました。
「セーラーとペッカ」シリーズは、全5冊からなるヨックムさん唯一の絵本作品です。1作目の『セーラーとペッカ、町へ行く』がスウェーデンで刊行されたのが1993年。私は、その夏たまたまストックホルムの書店で見つけて、この絵本にひと目惚れしました。その後、2作目(1994年)、3作目(1995年)と新しい本が出るたびに、ますますヨックム・ワールドに惹きつけられ、いつかこのシリーズを訳したいなあ、と密かに夢をふくらませていました。
一方、編集者の広松さんは、昨年ストックホルムを訪れたさい、現代アーティストとして幅広く活躍するヨックムさんの壁画をホテルで見て、やはりひと目惚れしてしまったそうです。そしてさらに「セーラーとペッカ」の絵本と出会い、このシリーズをぜひ日本で出版したいと思ったとのことでした。
さて、実際にお会いしたヨックムさんは、とても気さくで、親切で、おまけになかなかのハンサムで、日本語版のアイデアをとても気に入ってくださり、打ち合わせはとんとん拍子に進みました。ランチをごいっしょしたあとは、中之島の国立国際美術館へ行き、カーリンさんが出展なさっている「エッセンシャル・ペインティング」を一般公開より1日早く見せていただきました。実は今回のおふたりの来日は、カーリンさんが展覧会のオープニング式に招聘されてのことだったのです。おかげで、ヨックムさんにお目にかかれただけでなく、スウェーデンを代表する現代画家カーリン・マンマ・アンダーソンの世界にも触れられ、とても充実した大阪での1日を過ごすことができました。
肝心な日本語版の方は、ヨックムさんからGOサインをいただいたので、あとは5冊平行して作業を進めるばかりです。来年初夏の刊行をめざして、私ももうひと頑張りします。 (2006年10月記)
「エッセンシャル・ペインティング」は、国立国際美術館で12月24日まで。カーリンさんの名字Anderssonはスウェーデン語読みではアンデションですが、ここでは展覧会の図録に従いアンダーソンと表記しています。